中国で「立秋」は季節折々の重要な節句の一つ。3千年以上も前から、古代の人々は「立秋」の日に秋を迎えるためのさまざま儀式を執り行った。中国では今でもこの日に、夏場に衰えた体力を取り戻すために肉などを食べる「貼秋ビャオ」(ビャオは月へんに票)と呼ばれる習慣や、気候が涼しくなるようにという意味を込めて西瓜を食べる「咬秋」という習慣が残っている。
夏場の最も暑い季節には、食欲不振に陥りやすい。そのためこの季節に少し痩せる人も少なくない。痩せると当然「補う」必要がある。「補う」ために、「立秋」の日に「貼秋ビャオ」(貼という中国語には「補う」という意味がある)、つまり肉などのごちそうを食べるのだ。この日、中国の一般家庭では、煮込んだ肉や豚のひじ肉などを食べる。こだわりのある家庭なら、豚肉をゆでて冷やしたものを唐辛子醤油で食べる「白切肉」(パイチーロゥ)や豚の角煮などを食べる。さらにこの日に餃子を食べたり、土地の神様を祭ったり、トウキササゲの葉を髪に挿したりする習慣もある。
このように、立秋の季節に、中国の人々はユニークに富む儀式を行って、健康を祈ったり、魔除けをして病気の回復を願ったり、五穀豊穣を願ったりする。
▽立秋の養生
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