食道がんを克服して間もない日本の国宝級の大指揮者・小澤征爾さんが、最近肺炎にかかったと報道された。小澤さんは21日に肺炎と診断され、「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」の23日と25日のオペラの指揮を中止。多くの音楽ファンが心配していた。だが小澤さんはチケットが完売だったことから、聴衆を落胆させたくないと、27日夜に病をおして再び指揮台に立ち、今回の日本公演最後の指揮を披露した。小澤さんは現在も体調がすぐれないが、中国公演にむけて調整に努めたいとしている。関係者は北京公演の際に小澤さんが中国医学による診察も希望していることを明らかにした。
■初公演後に肺炎で入院
小澤さんが恩師・斎藤英雄氏を記念して始めた「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」は今年20年目を迎える。大病を克服して間もない小澤さんは、全心血をリハーサルに注いだ。21日の初公演では情熱溢れる指揮を披露。聴衆の熱烈な拍手は10数分間も鳴りやまなかった。だが公演後に体調不良を覚え、病院で軽度の肺炎と診断されたため、23日の公演を欠席。25日には退院してタクトをとるつもりだったが、回復が思わしくないため、医者の忠告を受け入れ、やむなく再度出演を見合わせた。2公演連続の欠席に小澤さんの病状への周囲の心配はつのった。だが27日夜には再び指揮台に立ち、フェスティバル最後の公演で完璧な指揮を披露した。小澤さんの体調は依然思わしくないという。
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