本誌記者 蘭辛珍
中国の北部に、蒙古族が集まり住むところがある。中国の5つの少数民族自治区の1つ、内蒙古自治区である。モンゴル、ロシアと国境を接し、面積は118万平方キロ、人口は2400万人余りだ。
2011年、内蒙古の域内総生産は前年比で14.3%成長、成長率は全国平均より5.1ポイント高く、全国各省・自治区・直轄市で5位だった。しかし2011年までの7年間、内蒙古の経済成長率はずっと全国一だった。
内蒙古自治区政府副秘書長の馮任飛氏によると、経済成長率の鈍化は一方では国際経済環境と関係があるが、さらに主要な原因は自治区政府が国の持続可能な経済発展政策に適応するために講じた経済構造転換策によるものだという。
「今年の経済成長目標はおよそ13%前後。低く設定したのは経済構造調整のために余地を残したためだ」と馮任飛氏は語る。
資源採掘に依存しすぎたこれまでの発展
内蒙古は、東部には果てしない草原が広がり、西部には砂漠が広く分布し、年平均気温は-1~10℃、年間降水量は約50~450ミリ。中国の典型的な畜産地域であり、中国最大の乳製品企業である伊利集団と蒙牛集団はともに内蒙古にある。また、中国の主要な牛肉・羊肉、毛皮製品の生産地でもある。

内蒙古は中国における牛・羊など畜産品の主要取引地域だ