しかし内蒙古が行っていることは大自然の力に比べればごく小さなものだ。内蒙古は現在のところ依然として中国の省・自治区のうち砂漠化の危害が最も深刻な自治区である。王玉明氏によると、砂漠化という状況を徹底的に変えるため、内蒙古は1990年代から「生態移民」を実施しており、砂漠化地域に生活する人々を自然環境が比較的よい地域に移住させた後、砂漠化地域に植樹や苗植えなどを行って砂塵源対策を実施しているという。
過去十数年で、内蒙古は累計数十万人を生態移民させた。王玉明氏によると、生態移民は環境が劣悪な地域の貧困人口が貧困を脱するために有効なアプローチであり、農民・遊牧民全体が貧困を脱する上で、少ない労力でより大きな効果を上げることができた。また生態環境劣化を抑制する重要な措置でもあり、転出地域の人口圧力軽減や生態系回復に役立ったという。
王玉明氏はさらに次のように語った。「今後内蒙古はさらに生態移民プロジェクトに力を入れ、生態移民を通じて生態環境が劣悪な地域の農民や遊牧民が1日も早く貧困から脱するのを助ける一方で、生態系の回復と建設により内蒙古を中国北部の生態系バリア保護区にしていく」。
「北京週報日本語版」