中国外交部の秦剛報道官は1月20日、「ロシア連邦のプーチン大統領の招待に応じ、習近平国家主席は2月6日から8日にかけて、ロシアのソチで開催される第22回冬季オリンピックの開幕式に出席する」と発表した。

中国の最高指導者はこれまでの慣例を破り、海外で開かれる世界的なスポーツの祭典の開幕式に出席し、中国外交の先例となる。これは決して単純な観戦ではなく、戦略的・政治的意義を持つ、中国の2014年度としては初の重大かつ正確な外交決定である。中露関係およびユーラシア大陸の地政学に対して鮮明なシグナルを発し、大きな影響を生む事になる。

海外で開催される世界トップクラスの競技において、中国人選手は自国の最高指導者による現場の応援を受けたことがなかった。ロシアでこのような先例を打ち出すのは適切であり、光栄なことでもある。

ロシアは中国の世界における最も重要な戦略パートナーだ。ロシアは過去数年間に渡る「プーチン・メドベージェフ体制」の下、世界エネルギー価格高騰のチャンスをつかみ、経済改革、独占打破、再軍備、実務的外交の展開により、世界の注目を集める成果を獲得し、国家の復興に向け力強く歩んだ。

プーチン大統領が指導するロシアは、さまざまな国際舞台で復興の夢を示している。7年間の準備の中で、ソチ五輪に多くの熱意と精力を注ぎ、万全を期した。ソチ五輪の成功は、2012年のウラジオストクAPEC首脳会議、2013年のペテルブルグG20サミットに続く、ロシアの復興の道における輝かしい「灯台」になるだろう。ソチ五輪は、そのスポーツマンシップに注目するだけでは不十分で、地政学的な出来事としてとらえる必要がある。

ソチ五輪は西側諸国の批判を浴びている。各国の人権・宗教・同性愛支持団体と政治機関は、ロシアの反同性愛法、「外国の代理人法」、スノーデン事件などを理由に反対運動を進めている。米国政府は反対運動に賛成していないが、レズビアンであることを告白した元選手を大統領特別代表として、開幕式と閉幕式に出席させる。ソチ五輪に対する批判の声は、ロシアと欧米関係の冷え込みを反映している。