第10回アジア安全保障会議(シャングリラ対話)が3日にシンガポールで開幕し、中国からは梁光烈国防部長(国務委員)が代表団を率いて出席する。10年前のシャングリラ対話発足以来、中国国防部長の出席は初めてで、過去最高レベルの代表団となる。(文:張学剛・中国現代国際関係研究院南アジア・東南アジア・オセアニア研究所副所長。「人民日報海外版」コラム「望海楼」掲載)
シャングリラ対話は発足以来10年で、アジア太平洋地域において最大の規模と最高のレベルを誇る多国間防衛・安全保障フォーラムの1つに発展。アジア太平洋各国間の意思疎通、交流、理解、相互信頼の促進に重要な役割を発揮してきた。中国は07年以来4年続けて副総参謀長の率いるハイレベル代表団を派遣してきた。今回さらにレベルを引き上げたことは、アジア太平洋地域の安全の維持と促進を中国が強く重視していることの現われである。
中国は一貫して真摯で積極的、建設的な姿勢で地域安全保障協力に参加してきた。また、対話と意思疎通を通じて相互信頼を強化し、共通認識を拡大し、協力を促進して、アジア太平洋の平和と安定を共同で守ることを望んできた。中国代表団は過去の各対話でいずれも「中国は常に変わらず『善隣とパートナーシップ』の周辺国政策を堅持し、相互信頼・互恵・平等・協力の新安全保障観を積極的に提言している」と強調。(1)地域の重大問題や国際紛争の平和的方法による解決を主張し、勝手な武力の行使または威嚇、侵略拡張、覇権主義、強権政治に反対する(2)平和共存五原則に基づき対外軍事交流を行い、非同盟、非対立、第三国を標的としない軍事協力関係を発展させ、公平で有効な集団安全保障体制および軍事相互信頼体制の構築を推進する(3)開放、実務、協力の理念を堅持し、国際安全保障協力を深め、主要国および周辺国との戦略的協力、協議、軍事協力を強化し、国連平和維持活動、海上護衛、国際的対テロ協力、災害救済活動に参加する(4)公正・合理的・包括的・均衡的の原則に従って、効果的な軍縮・軍備抑制を実現し、世界の戦略的安定を守る?ことを掲げてきた。
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