2011年版防衛白書(新防衛白書)が2日、閣議で了承を得た。日本周辺の安全保障環境に関して、新白書は2010年12月からの「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)に沿って、再度中国に矛先を向け、「中国の脅威」に対抗し、防衛力整備の強化、特に南西諸島の防衛強化を打ち出した。解放軍報が伝えた。
◇中国への警戒あらわに
朝日新聞は、新白書は中国を強く意識し、中国の軍事力整備を非難する激しい言葉が随所に見られると伝えた。新白書は多くのページを割いて、中国の国防費は依然として透明性が確保されていないとし、国防費の「拡大ペースが速い」ことや、「用途が不明」なことを指摘した。さらに、中国軍に対する注意点も「中国軍の影響」から「その行動自体」に変わり、地域及び国際的な代弁者の立場から、中国の軍事力拡大は「地域および国際社会の懸念事項となっている」との認識を示した。
10年版の白書でも「活動を活発化」と指摘していたが、「拡大」「常態化」という新たな表現を用いて中国海軍の動きにより強い警戒感を示した形となった。新白書では南沙諸島に関する内容が増え、南中国海問題ではわざと一方に偏った意見で、日米同盟を基礎に東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力して「対中包囲網」を構築しようという戦略的意図が伺える。