1961年生まれの島田雅彦氏は日本で「文壇の貴公子」と呼ばれ、その作品は「日本ポストモダン文学の旗手」として注目される。日本の2大文学奨、芥川賞と三島由紀夫賞の選考委員に就任。絵画、料理、スポーツなど幅広い趣味をもつ。その容貌から4本の映画とオペラにも出演。彼ほどバラエティに富み、脚光を浴びている作家はいないだろう。
◇自己意識の強い新世代の作家
今年初め、島田氏は芥川賞選考委員となる。氏は青春時代から何度も芥川賞候補となるが、すべて落選、最多落選記録をもつ作家だ。今では選考委員として1980年代生まれの作家の作品を数々目にする彼の選考基準はどういったものだろう?
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