伊藤忠商事株式会社(本社大阪)は先月31日、中国の繊維・アパレル大手「山東如意科技集団」(本社済寧市)の株式30%を2億ドル(約152億円)で取得することを明らかにした。これを受け、同グループ傘下の上場会社山東如意の株価が同日、6.12%高と大幅な値上がりを見せた。また山東如意は経営再建中の日本のアパレル企業「株式会社レナウン」の筆頭株主であるため、同社の株価も同日、東京証券取引所で一時28.21%高と急伸。伊藤忠の株価も3.02%高となった。人民日報傘下の経済紙「国際金融報」が報じた。
伊藤忠は今後、山東如意と協力して中国でのサービス業務を拡大する方針。同社はアジア各地に工場を有しているだけでなく、すでに中国繊維大手「杉杉集団」の持ち株会社に資本参加したり、香港に現地法人プロミネントアパレル香港を設立したりするなど、中国市場開拓に向けて着実に足場を固めてきた。
一方、山東如意も2010年5月には約40億円を出資してレナウンの株式41.18%を取得し、筆頭株主となった。そのため、伊藤忠は今回の資本提携で、間接的にレナウンに約12%出資することになった。
伊藤忠と山東如意はこれまで羊毛など繊維原材料取引が中心だったが、今後は伊藤忠が持つ高級アパレルブランドの中国販売などでも協力し、共同で中国市場を開拓する方針。また両社は将来の海外戦略協業も視野に入れている。
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