9月2日、首相官邸に着いた野田首相。
「ワシ派」へ向かう日本外交
野田佳彦氏が先日、日本の首相に就任した。松下政経塾出身者として初の宰相だ。同塾出身者には強硬的な言動が目立つため、周辺国は一抹の懸念を抱いている。だが全体的、長期的視点から見れば、誰が政権に就こうとも、競争と協力の間で揺れ動くという中日関係の特徴が変わることはない。(文:廉徳瑰・上海国際問題研究院日本研究センター副主任。「解放日報」掲載)
第1に、日本の対中政策は近代以来の二重外交思考と密接な関係にある。 今後の中日関係に関しては、安全保障上の難局と経済上の互恵との矛盾の折り合いをいかにつけるかが、新内閣の必ず直面する課題となる。これと緊密に関係するのが、日米関係と日中関係のバランスをいかにとるかだ。
自民党のあるベテラン政治家は以前「今後日本の政治と外交は『タカ』か『ハト』かで単純に表現できるものではなく、その中間の『ワシ』になる」と述べた。日本人にとって、ワシはタカほど獰猛ではなく、ハトほどおとなしくもない。つまり、今後はたとえ「タカ派」が政権に就いても国益を犠牲にしてまで中国に対抗するとは限らないし、「ハト派」が政権に就いても敏感な問題で容易に中国に譲歩するとは限らないということだ。
今後、中日関係は別の意味の「正常化」の段階に入るべきだ。調子の良いことを言って過度の期待を抱くべきではないし、摩擦を理由に理性を失うべきでもない。競争も協力もあることこそ両国関係の新たなモデルであることを正視しなければならない。そして、こうした「競争と協力」モデルこそが現実的かつ正常なのだ。
「人民網日本語版」
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