日本の防衛関連企業のIHIが9月20日、サイバー攻撃を受けたことがわかった。日本の防衛産業がサイバー攻撃を受けたのはこれで2回目となる。
IHI(正式名称は株式会社IHI)は、防衛省が使用する戦闘機のエンジン、護衛艦、原子炉圧力容器などの防衛・原発関連の製品を生産している。同社は20日、2009年7月からサイバー攻撃を受け、情報漏えいを引き起こす恐れのある大量のウイルスメールを送りつけられていたことを明らかにした。同社のコンピュータはウイルスに感染しておらず、情報漏えいもないという。
情報セキュリティー会社の米トレンドマイクロによると、三菱重工を含む世界8社の防衛企業がサイバー攻撃を受け、ウイルスに感染したコンピュータを遠隔操作する画面に中国語が表示されていることもあった。IHIに送りつけられたのは「標的型メール」で、添付ファイルを開くとサーバーがウイルスに感染し、情報漏えいを引き起こす恐れもある。IHIへのサイバー攻撃は昨年4月に発覚し、今もウイルスメールが送られているという。これらのメールは、防衛技術部の従業員に大量に送られたが、ファイルを開いていないため、ウイルスには感染していない。同社は現在、警察当局と情報交換を行っている。