
ようやく改革開放を迎えた中国、新婚写真にも新しい風が吹き込みました。1980年代に入り、改革開放がすすむにつれて、西洋の美意識が再び中国大陸に流れ込みました。中国人の新婚写真も白黒ではなくて、淡い色彩のものが登場しました。1980年に新婚写真を撮った張鳳桐さんの話です。
「僕は、結婚して2年後に新婚写真を撮りました。1970年代、素朴婚が強調されて、新婚写真を撮ることは贅沢な生活風習と見られ、非難されていました。ですから撮る人はあまりいませんでした。しかし、改革開放のおかげで、生活が自由になり、ますます多くの結婚した人たちが、改めて新婚写真を撮りました。僕もその一人です。当時の流行は、カラー風に仕上げたモノクロ写真で、撮った写真はもともと白黒のものだけど、ネガを焼くときにカラー風に仕上げたものです。結局、ちょっと茶色っぽいものが出来上がりました。僕の新婚写真は、夫婦二人とも背広を着ていました。いずれも写真屋さんから借りた衣装です。三つのポーズで3枚取りましたが、その一枚は今でも寝室に飾っています」