劉幸宇(神戸学院大学)
時の科学館 儀象堂に聳え立ってある水運儀象台。見学者は後を絶たない。
長野県の桜がつぼみを持って今にもほころびようとする季節に、筆者は神戸から車を走らせて、約400キロメートル離れた長野県諏訪郡下諏訪町にある諏訪湖時の科学館儀象堂を訪れた。館内に聳え立っている世界で最も精確に複製された水運儀象台を見学し、また、諏訪湖時の科学館儀象堂の顧問であり、著名な書家、画家でもある吉澤大淳(本名吉澤清)氏を取材した。
水運儀象台は水力で駆動する大型天文観測時計塔である。西暦1092年(中国の北宋時代)に著名な科学者である蘇頌などが宋の都開封で開発、製造したものであり、西暦1124年に戦乱により破壊された。水運儀象台は中国宋の時代における天文学と機械工学の偉大なる発明であり、世界初のアングル機関をもつ時計であるため、機械式時計のルーツとも言われている。また、近代科学技術が誕生する前に人類が作った最も大きい、最も精密な科学器械である。復元された水運儀象台は原寸大であり、その高さは約12メートル、下層の幅は約6メートルである。ちなみに内部構造が三階となっており、極彩色の美に輝いて、甚だ壮観である。
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