
田中慎弥氏
第146回芥川龍之介賞の選考会が2012 年1月17日、東京都内で行われた。過去4回も芥川賞の候補になりながらも落選し続けた作家・田中慎弥氏の著作「共喰い」が、この度ようやく受賞作に選出された。集英社が1月26日に公開した情報によると、同氏の著書は飛ぶように売れており、発行数もすでに10万部を突破しているという。
日本文学界の登竜門たる芥川賞の受賞という喜ばしい出来事を巡り、田中慎弥氏はその「悪態」を以って一躍「時の人」となっている。受賞発表直後の記者会見に現れた同氏は、「確か(米女優の)シャーリー・マクレーンだったと思いますが、アカデミー賞の候補に何度もなって、最後にもらったときに、『私がもらって当然だと思う』って言ったそうですが、まあ(私も)だいたいそういう感じです」と、文学者としての高尚さを余すところなく表現している。また、芥川賞の選考委員に名を連ねている石原慎太郎都知事にも痛烈な嫌味を投げかけるのを忘れていない:「4回も落っことされた後ですから、ここらで(自分から)断ってやるのが礼儀だと思いますが、私は礼儀を知らないので。もし断ったと聞いて、気の小さい選考委員(石原知事)が倒れたりなんかしたら都政が混乱しますんで。都知事閣下と東京都民各位のために(賞を)もらっといてやる」との発言はメディアの驚かせた。