しかし内蒙古の経済成長は主に畜産業に頼ってきたわけではなく、鉱物資源とエネルギー資源によるものだ。内蒙古には探査済みの鉱物が60種余りあり、レアアース、石炭、銀などの埋蔵量はきわめて大きい。特にレアアースの埋蔵量は膨大だ。世界のレアアース生産量の80%以上を中国の生産量が占めているが、内蒙古の生産量はその中国の生産量の90%以上を占める。
内蒙古自治区の統計データによると、自治区全体の総生産のうち、第二次産業が70%以上を占める。内蒙古には外国投資企業が3601社あり、その75%が第二次産業に携わっている。内蒙古社会科学院研究員の潘照東氏は、内蒙古経済は、資源開発規模の拡大が経済社会発展をけん引するモデルで発展してきたと指摘する。
潘照東氏によると、2000~2010年の10年間、内蒙古の石炭、電力、鉄鋼の生産量成長率は全国でも上位にあり、これが内蒙古経済の発展に貢献してきた。「しかしこれからの10年間は、内蒙古が大規模な石炭開発や電力発展を続けた場合、さらなる成長を遂げるのは不可能だ」と潘照東氏は言う。
潘照東氏はさらにこう述べる。「内蒙古は今後10年発展し続けられるかどうかの岐路に立っている。どのようにモデル転換するかは厳粛な問題であると同時に、非常に現実的な問題でもある」。
モデル転換は始まっている
今、経済発展モデルの転換はすでに内蒙古政府職員たちの共通認識になっている。「資源大省として、内蒙古が将来の持続可能な発展のために考えているのは、長年の資源・エネルギー産業への依存をどう克服するかということだ」。内蒙古発展改革委員会巡視員の魏暁明氏は言う。