
(中原の「つぶやき」コーナーはここ数ヶ月、その半生を北京で過ごした一日本人のちょっとした物語となっています)
そんなこんなで、税関の向こうの北京に足を踏み入れるその一歩手前ですでに、このお役所的国営企業や大陸的自己主張の民に主導権を握られてしまった私たちだったわけだが、1990年代初頭の中国は、得てしてそうした「お役所的国営企業」や「自己主張の民」にあふれた時代だった。
1989年に中断した改革開放が再開したのが1992年、私が北京に足を踏み入れた1993年とは、いわばエンストしたマニュアル車のエンジンをぎゅるるぎゅるるとかけなおしている、そんな時代だったのだ。