宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本時間7月21日11時6分、宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)を搭載したH2Bロケット3号機を、種子島宇宙センターから打ち上げた。同補給機は約4.6トンの物資を搭載している。順調に行けば7月27日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、宇宙飛行士がロボットアームを操作してドッキングさせる予定。人民日報が報じた。
古川元久宇宙政策担当相は「今回の打ち上げ成功で、日本のロケット技術の信頼性の高さを示すことができた」と語った。H2Aロケットをベースに開発されたH2Bロケットは、重量531トン、全長56.6メートル、日本最大の宇宙ロケットで、打ち上げ能力は最大8トン。業界関係者は、「補給機の打ち上げ成功は非常に喜ばしい出来事。H2Bロケットには日本各界からの期待が寄せられている」との見方を示す。
JAXAは今後、H2Bの打ち上げ事業を三菱重工へ移管する。これにより、日本の民間企業による大型通信衛星の打ち上げがより完備され、日本の宇宙経済が促進される見通しだ。三菱重工は今後、H2AとH2Bを2本柱とし、海外の商業衛星打ち上げ業務を開拓していく。
日本は今年5月18日、韓国の多目的実用衛星「アリラン3号」とJAXAの水循環変動観測衛星「しずく」を搭載 したH2Aロケットを種子島宇宙センターから打ち上げた。日本が外国の衛星を打ち上げたのはこれが初となる。しかし、業界内では「三菱重工が衛星打ち上げ分野で熾烈な国際競争に勝ち抜くのは難しい」との見方が普遍的だ。原因は打ち上げ費用の高さにある。H2Aの打ち上げ費用は約85億円―100億円、H2Bは約140億円―150億円に達し、急激な円高によってさらに割高となり、不利な立場に追いやられている。このほか、H2AとH2Bロケットの打ち上げ成功率は95%に達しているが、打ち上げ成功回数はH2Aが20回、H2Bが3回とまだ少なく、EU、ロシア、米国、中国と比べると見劣りする。
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