中国国家洪水・干害防止総指揮部は29日、洪水防止協商会議を開催した。会議において、7月下旬から8月上旬という1年で最も洪水災害が発生しやすい時期に入り、全国的に雨が頻繁に降り、長江・黄河流域の各地で洪水が見られ、2個の台風が互いに影響を及ぼし合いながら中国に向かっているなどの現状が把握された。そして、これらの要因から、洪水防止情勢は非常に複雑化しており、洪水防止事業は困難を極め、洪水防止任務は一番の正念場に入ったとの見解で一致した。人民日報が伝えた。
台風9号と10号が次々と発生し、互いに影響を及ぼし合いながら、ともに中国大陸を直撃すると予想されている。黄河では、今年1回目の増水ピークが潼関高程を超過、2回目のピークで増水が下流に向かい、呉堡や竜門など中流の一部流域では、最高水位が警戒ラインを越えた。長江上流では、雨が降り続いており、三峡ダムの洪水対策は依然として予断を許さない状態にある。三峡ダムの下流では、流量がかなり多い状態のままで、中流の一部流域や洞庭湖における洪水防止体制も厳しい状況が続いている。西部地域でも頻繁に雨が降り、大きな山津波災害が極めて発生しやすい状況だ。ダムや水力発電所が増水ピーク期を無事乗り切ることができるかどうかは、国全体にとって由々しき問題となっている。ダムの貯水量は多く、最高水位は高い。人口が密集している上流で、決壊の恐れのあるダムや泥でぬかるんだ堤防の隠れた危険性は大きく、いったん事故が起こったら、悲惨な結果となる可能性が高い。
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