ロンドン五輪で世界新記録を打ち出した中国の競泳選手、孫楊の凄さの秘密はどこにあるのか。よく読者から寄せられるこの質問の答えを捜してみた。

まず、中国競泳はここ数年「海外訓練と外国人コーチ招聘」という戦略を一貫して励行してきた。2010年2月、孫楊は初めてオーストラリア合宿に向かった。この年末、広州アジア大会で張琳選手が保持していた1500メートルのアジア記録を10秒上回った。昨年1月、孫楊は再度オーストラリアへ。そして上海世界水泳選手権で、彼は800メートル自由形と1500メートル自由形の2種目で金メダルを獲得し、1500メートル自由形では世界新記録を打ち立てた。昨年末と今年5月、孫楊選手は2回外国人コーチを招聘しオーストラリア合宿に行っている。そしてロンドンオリンピックで驚きの成績を勝ち取ったのだ。

しかし、「海外合宿」には経費がかかる。孫楊の成功の裏側には、巨大な経済的支援が不可欠なのだ。外国人コーチの指導料は100万元（約1200万円）、孫楊本人、コーチ、随行するスタッフ、随行する選手とそれぞれ1人ずつに海外でかかる1カ月分の費用は30万元（約370万円）。孫楊のこの4回の海外合宿では、最初の3回は1回70日間で概算でも、孫楊1人が海外合宿するのに200万元以上（約2400万円）が必要で、彼の訓練チームがこの2年間で海外合宿で費やした経費合計はおよそ1000万元（約1億2300万円）を越す計算になる。

また、彼の外国人コーチは確かにやり手だ。孫楊だけでなく、中国国内で急速な成長を見せた若手選手は、ほとんどがこのコーチの指導を受けている。ある競泳に造詣が深いアナリストはこの外国人コーチをこのように評価している。「このコーチは長年、競泳コーチとしての経験を積み重ね、メダリストのグランド・ハケットのような世界レベルの中長距離自由形の名選手を指導した経験を経て、一連の効果的な訓練方法を導き出している」これが孫楊の成功の秘密なのだ。

「中国網日本語版（チャイナネット）」