5日夕方のロンドン、熱狂、歓喜、叫喚、遺憾、失望等のさまざまなムードが立ち込め、ウェンブリー・スタジアムが爆発寸前の溶鉱炉と化した。バドミントン男子の林丹がスタジアムを駆け回り、上着を脱ぎ捨て、観客席全体に敬礼すると、上述したムードが最高潮に達した。中国広播網が伝えた。
林丹がオリンピックの男子シングルスの決勝戦に進出するのは2回目で、510回目の世界試合となった。この他者の追随を許さない選手人生のピークにおいて、林丹は大逆転勝利を収め、50回目の男子シングルス優勝、17回目の世界チャンピオンの快挙を成し遂げた。
北京五輪開催前は、男子ハードルの劉翔とNBAプレーヤーの姚明が中国のスポーツ界を代表する人物とされており、各社のCMに採用された。アテネ五輪の金メダリストの劉翔は、「CM王」と称された。しかし2011年より林丹が劉翔に代わり、中国スポーツ界の「CM王」となった。
李寧のスポーツウェアを着用し、レッドブルを飲み、シトロエンの車に乗り、グリーンアローガムを噛む。林丹のCMは衣食住行(行は交通)の各方面にわたる。国の主要テレビ局のCM放送時間でトップに食い込めるスポーツ選手こそ、オリンピックにより富を築いた富豪と言える。某メディアのデータによると、林丹の年間賞金は22万ドルに満たないが、通年の広告収入は200万ドル以上(約1億6000万円)に達するという。ジレット、レッドブル、シトロエン等のイメージキャラクター、その他のPRイベント参加による収入が、通年の総収入の90%以上を占めている。
フォーブス誌の発表したランキングによると、林丹の2007年の所得は170万元(約2125万円)であったが、2008年以降は1250万元(約1億5625万円)に跳ね上がった。激増した所得のほとんどは、広告収入によるものだ。林丹がCM王となった主因は、北京五輪バドミントン男子シングルスの金メダル獲得だ。
北京五輪開催前、中国ブランド研究院は全国10都市の6000人を対象に、「最高のイメージキャラクター」と称するアンケート調査を実施した。その結果、劉翔、姚明、女子飛び込み選手の郭晶晶がトップ10入りを果たした。しかし北京五輪からロンドン五輪までの4年間で、劉翔は幾度も選手生命の危機に立たされ、姚明と郭晶晶は2011年に引退した。
|