中国で留学経験者の初任給は3千元(約3万7千円)前後が一般的で、3千-5千元(約6万1750円)が4割、1万元(約12万3500円)以下が7割に上り、留学経験者の優位性がなくなりつつあることがこのほど、中国の留学斡旋(あっせん)大手「啓徳教育」の報告書で分かった。中国国営ラジオ局「中央人民広播電台」が伝えた。
啓徳教育がこのほど発表した2011年版「帰国子女就職力調査報告」によると、70%の企業の人事担当者が「留学経験者だからといって優先的に採用することはない。多額の留学費を費やしたにもかかわらず、現在は就職難や低待遇という厳しい状況にある」と語る。
「国外の生活や教育を体験したい。卒業後は帰国すると思うが、仕事のことはその時になってから考える」。英国名門校の修士課程を目指し、英語圏への留学に必要な語学検定試験「IELTS(アイエルツ)」の勉強に励む北京師範大学の4年生、黄宇さんはこう話す。
こうした漠然とした考えで留学の準備を進める学生がますます増えている。中国教育部の統計によると、2011年の留学者数は前年比約20%増の34万人に達した。同時に、帰国して就職する人の割合も上昇している。中国の留学情報大手「鳳凰出国」のシニア・ライフ・プランナー樊琴氏によると、留学者の60%以上が帰国を選択しており、留学者は(1)出国後、何としてでも留学先に残ろうとする(2)箔(はく)を付けるためだけに留学する(3)国外の大学を卒業後しばらく働いてから帰国する--の3種類に分かれるという。
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