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中国全国老齢工作委員会弁公室の閻青春・副主任は、このほど開催された「第一回在宅介護・異郷養老国際シンポジウム」において、「中国老齢事業発展『十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)』計画について解説を行った際に、「調査・統計データによると、中国都市部にすむ高齢者だけのいわゆる『空の巣』家庭は、全体のほぼ半分に相当する49.7%に達した。農村部は、都市部ほどではないが、故郷を後にした農民工(農村から都市に出て働く臨時労働者)の数が増えるに伴い、高齢者だけの『空の巣』家庭の割合は38.3%に達し、上昇スピードは都市部より速い」と述べた。中国新聞社が伝えた。
閻副主任は、「今の『空の巣』家庭の高齢者は、心理的に空虚感を抱えているだけではなく、より多くの高齢者ヘルパーによる保障や支援など、必要なサービスを十分に受けているとはいえない。これは、高齢者の健やかな生活を大きく脅かすものだ」と指摘。さらに、「異郷での相互補完養老システムが発展すれば、在宅介護と施設介護という二種類の介護モデルを融合させることが可能となる。これは一種の実現可能な模索・実践モデルだ」と続けた。
北京中医(漢方)医薬大学養生学研究所副所長の劉長喜教授は、「中国国内には現在、721万人の高齢者エリート群体(60歳以上)の老後ニーズが存在しており、シニアビジネス産業に市場と潜在力は極めて大きい。シニアサービス関連産業の産業チェーンはかなり長く、住居、医療、看護、食品、用品、運動、娯楽、教育、保険、観光など各業界に及ぶ。このうち中心となるのは、『住(シニア不動産)、医(高齢者医療サービス)、護(高齢者介護)』だ」と述べた。
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