8年間に渡り実施が待たれてきた、所得分配制度改革のひな形が完成した。温家宝総理はこのほど中国国務院常務会議を開催し、第4四半期に所得分配制度改革の全体プランを制定すると発言した。市場では、中国発展改革委員会(発改委)がすでに同プランの初稿を作成したとする噂も伝わっている。新京報が伝えた。
所得分配制度改革は、「公平と効率に配慮する」という原則を実現するための核心だ。所得分配制度の改革がなければ、社会の所得格差が拡大する。現在の貧富の差の拡大を放置すれば、マタイ効果(貧しいものはますます貧しくなり、富める者はますます富む現象)が生じ、社会発展の公平性と安定性の保障が困難になる。社会システムの安定に問題が生じれば、効率を高めることはできない。
経済構造の調整の角度から見ると、中国経済はすでに改革が必要な時期に近づいている。伝統的な輸出型経済モデルにはすでに発展の余地が残されておらず、内需けん引型経済の成長が待たれる。内需けん引は主に全体的な消費能力の向上により推進されるが、これには全体的な所得水準の向上が必要だ。現在のピラミッド型の所得構造による全体的な消費能力は低い。多くの中・低所得層は高い消費意欲を持っているが、可処分所得が不足している。少数の高所得層はすでに過度な消費を行っているか、海外で消費を行うかしており、その中国経済の消費を支える力は非常に限られている。
全体的に見て、所得分配改革は、社会・政治の安定化および経済構造調整の全局面に関わるため、慎重かつ着実に推進する必要がある。現在は、以下の二つの課題が存在する。まず、高所得層の「グレーな収入」および脱税行為に対して、効果的なモニタリングを実施しなければならない。低所得層の所得水準を高め、中産階級を増加し、高所得層の所得を抑制するという三大戦略のうち、「高所得層の所得抑制」が最も困難で、多くの監督・管理者の自身の利益に直接関わる問題でもある。
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