中国では1979年より「一人っ子政策」が実施されているため、今の若者や子供のほとんどが一人っ子世代。そのため、親や親せきからの寵愛を受けることになる。まさに過保護状態で成長し、就職したり、結婚したりするなど独立する時になっても、両親の寵愛(ちょうあい)は変わらない。一方、子離れできない両親の過度な干渉が、「一人っ子世代」の結婚生活崩壊において、重要な役割を果たしている。中国紙「中国青年報」が報じた。
江蘇省無錫(むしゃく)市の人民法院(裁判所)が受理した離婚案件の各データによると、「一人っ子世代」の離婚が2009年下半期から顕著に急増し、ここ2年は離婚総数の4割を占めるまでになっている。うち70%の案件が、「両親の過保護が負担」、「両親の非理性的な干渉」、「カップルの両親同士がトラブルを起こし、家庭戦争勃発」など両親の過度の干渉が原因だという。
一人っ子世代という園さんも、実家では両親からの愛を存分に受け、なんの不自由もなく育ったという。そして昨年結婚。嫁ぎ先の実家で暮らすようになると、心配でたまらない母親が毎日のように訪ねてくるようになった。
今年、園さんが出産を終えると、母親は園さんを実家に呼び戻し、至れり尽くせりの世話を再開。赤ちゃんが夜泣きして娘がゆっくり眠れないことを心配する母親はなんと、新婚夫婦の部屋で寝泊まりするようになったという。園さんの夫はもちろん不満を感じ、義母に別の部屋に移動するように要求した。それでも、母親がどうしてもその要求に応じないため、園さんの夫は耐えきれず離婚調停を申し立て、最終的に離婚が認められた。
園さんの夫は「夫婦の部屋で一緒に寝る義母がどこにいるのか。全くありえない」と今でも怒りが収まらない。
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