横浜の開港と同時に誕生した横浜中華街は、140年の歴史を持つ在日中国人居住区だ。約300店のレストランが並ぶ、日本ひいてはアジア最大の中華街である。日本政府が釣魚島を「国有化」して以来、中日関係は急速に悪化。横浜中華街に住む在日中国人にとっては悩みの種となっている。日本の華字紙「新華僑報」が報じた。
日本政府が9月に釣魚島を「国有化」して以来、中国政府は政府高官の相互交流を中止するなどの措置をとり続けており、両国関係は国交正常化以降、最悪の状態となっている。両国の激しい対立により、数多くの地方交流が停滞している状況だ。
10月1日、横浜中華街では国慶節パーティが行われた。「日本政府が島を購入したことで、中国人の感情を著しく傷つけた」。「歴史的に見て、尖閣諸島は日本に属している」。駐日中国大使の程永華氏と神奈川県知事の黒岩祐治氏は壇上で火花を散らし合い、会場は不穏な雰囲気に包まれた。
中華街恒例の国慶節祝賀行事である盛大なパレードは、日中関係の悪化により中止に。国交正常化40周年の記念活動のひとつになるはずだった。
1998年に福建省から日本にやって来た陳祖明さんは現在、肉まん販売店など10店舗以上を経営している。陳さんには中国で日本料理店をオープンさせる計画があったが、これも頓挫したと言う。改革開放が始まった1980年以降、中華街にやってくる大陸華僑が急激に増加した。従来の「旧華僑」たちは、彼らを「新華僑」と名付けた。陳祖明さんも新華僑のひとりである。陳さんは、横浜で始めた事業を中国へ、ひいては世界へ広げようと考えてきた。しかし、中日関係が悪化した現在、その計画が狂い始めている。
一方の旧華僑たちは、日本社会との共存を優先的に考えている。彼らが心配するのは、アルバイトをしに中華街にやって来た最近の留学生が、日本メディアの取材に対して軽率な発言をし、それが中華街全体の意見になってしまうことである。中国の大規模デモが起きてから1か月。日中対立に緩和の兆しは見えない。父親から受け継いだレストランを経営する50歳過ぎの旧華僑の男性は、両国政府が一刻も早く交渉を始め、問題を解決してほしいと語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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