「私たちは『房奴(家の奴隷の意。住宅ローンに苦しむ人)』の第1陣。当時銀行で何百万元(数千万円)ものローンを組んで、住宅を十数件買っていた人は、ほかの人からは絶対に『狂っている』と思われていただろう。自分ですらそのように感じていたのだから」。徐芳(50代女性、仮名)さんは取材に対して、中国で不動産バブルが起きる前に不動産投資を行い、幸運にも大成功したいきさつを語った。上海証券ニュースを伝える「中国証券網」が報じた。
北京で生まれ育った徐さんは、不動産バブルとは何かがまだ知られていなかった2003年、親戚や友人と共に約100万元(約1200万円)を不動産に投資することに。自分と夫の貯金すべてをつぎ込んで、友人らと北京の東側区域にある3つの団地の住宅十数件を購入した。
徐さんは「当時、銀行がモーゲッジローンを扱っていたので、頭金は20%でよかったし、利率も低かった。それでも、住宅を十数件も購入したので、借金の額は3、4百万(約3600-4800万円)で、毎月の返済は4万元(約48万円)近くだった。あの頃の私たちの1カ月の給料は2000元(約2万4千円)程度だったので、周囲の人は『常識を逸脱している』と感じていた」と振り返る。
「当時、『不動産転がし』という概念もまだなく、私たちはただ、資産を増やすための道を探していただけ。あの頃、株の売場がブームになっていたけど、知識もなく、それには手を出すことはなかった」という。
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