清科研究センターが発表した中国企業のM&A(合併・買収)に関する報告書によると、11月の中国市場のM&A件数は78件で、取引額を公表した71件の取引総額は41億5900万米ドルだった。中国M&A市場は急速な盛り上がりを見せており、M&A件数は前月比47.2%増、取引額は同469.8%増で、大規模なクロスボーダーM&Aも多数行われた。取引規模と海外M&Aの取引額は2012年6月以来の高水準に達した。5日付中国証券報が伝えた。
11月、国内のM&Aは71件で、全体の91%を占め、うち取引額を公表した65件の取引総額は12億9100万米ドル。クロスボーダーM&Aは6件で、全体の7.7%を占め、うち取引額を公表した5件の取引総額は19億5100万米ドルだった。外資によるM&Aは1件、全体の1.3%を占め、取引額は8億1600万米ドル。
業種別に見ると、11月のM&Aは主に不動産業、機械製造業、クリーンテクノロジー、金融分野などの19の業種に及んでいる。取引件数で見ると、不動産業が11件でトップとなり、取引件数全体の14.1%を占めた。機械製造業が9件で2位、全体の11.5%を占め、クリーンテクノロジーと金融業はそれぞれ8件で3位だった。うち、金融業に関しては、投資会社の聯想ホールディングスが信用保証会社の合肥市創新融資担保有限公司、融資業務を展開する合肥市国正小額貸付有限公司、安徽省金豊典当有限公司の3社の買収に成功し、金融分野に進出するための道を切り開いた。酒業への進出の成功に続き、今回のM&Aから、聯想ホールディングスが総合的な事業展開を目指していることがわかる。
M&Aの取引総額から見ると、食品・飲料業がトップで、取引額を公表した3件の取引総額は10億9000万米ドルで、全体の26.2%を占めた。中でも中国食品最大手の光明集団が11月5日に、英食品大手ウィータビックス(Weetabix)社の60%の株式を6億8000万ポンドで取得し、11月トップの取引額であり、近年の食品業種で最も影響力のある中国企業による海外企業へのM&A(アウトバウンド型M&A)となった。取引額の2位は機械製造業で、取引額を公表した9件の取引総額は8億8500万米ドルで、全体の21.3%を占めた。中でも中国の大手家電メーカー、ハイアールグループ(海爾集団)による、ニュージーランドの洗濯機・キッチン家電メーカー、フィッシャー・アンド・パイケル・アプライアンシズ・ホールディングス(F&P)の9億27000万ニュージーランド・ドルでの買収が最高額。取引額の3位はバイオテクノロジー・医療健康分野で、取引額を公表した4件の取引総額は8億5600万米ドルで、全体の20.6%を占めた。