中国証券報の報道によると、2012年に入り、国内外の複雑な要因が影響し、中国の工業の成長は深刻な減速圧力に直面している。「経済の安定的成長の維持」という基本方針の下、内需拡大を促す政策が次々と展開され、投資の安定した速い成長を促進し、工業、特に重工業の全体的な回復をけん引している。中国の工業経済の動向は全体的に安定しており、構造調整は着実に進展し、通年の工業成長率は10%を上回る見通しだ。2013年、一定規模以上工業企業(国有企業と売上高500万元以上の非国有企業)の成長率は10.5%前後となり、中国の工業経済は複雑な環境の中で安定した傾向を維持すると見られる。
しかしながら、以下の4つの要因により、工業経済の減速圧力は依然大きい。
一、重・軽工業の構造的なバランスが崩れている問題は、ある程度改善されつつあるものの、立ち遅れた生産能力の淘汰は尚も困難が大きい課題である。投資の後押しによって、中国の重工業の比重は過度に大きく、工業構造における軽工業と重工業の割合がアンバランスであることは深刻な問題である。2000―2011年、軽工業の生産額の割合は39.8%から28.2%まで低下した一方で、重工業の生産額の割合は60.2%から71.8%まで上昇している。しかし、2012年に入ってから、重工業の前年同期比成長率は低下し続けており、重工業と軽工業の成長率が逆転する現象が起き、重工業の低下速度が軽工業を著しく上回っている。2013年、軽工業と重工業の増加値(付加価値)が逆転する動きが尚も続き、軽工業と重工業の構造的アンバランスはある程度改善する見込みだ。
二、生産要素コストの上昇傾向は今後も続き、中小企業のモデルチェンジグレードアップの圧力は増している。中国の中小企業の多くが競争の激しい軽工業、紡績業、機械工業、電子工業などの従来の伝統産業分野に携わっているため、コア競争力が乏しく、低コスト、低価格に頼って戦ってきたこれらの中小企業は、原材料価格の高騰及び中国国内の上昇し続ける労働力・貸付・物流コストの影響を受けている。2012年以来、中国の中小企業は、経営コストが高騰し続ける圧力にさらされている。
三、産業経済の動きは尚も分極化が続き、資源・エネルギー消費の規制、投資効率の低下、イノベーション能力の不足、発展力が弱いなどの要因によって、重化学工業の発展は依然困難な局面にある。鉄鋼、船舶などの重化学工業の先行きは楽観視できず、収益力・効率化を向上させることは極めて難しい。