人民日報は19日、歩行者に道を譲らない「中国式運転」に関する記事を掲載した。横断歩道の前で必ず一旦停止し歩行者に道を譲る「ドイツ式運転」を引き合いに出し、「中国もドイツに学び、教育や管理を一層強化し、国民一人一人が『譲る』精神を持ったモラルある交通秩序を作り出すべきだ」と呼びかけた。

　記事の全文は以下の通り。

　5年前、ドイツを初めて訪問した時、現地の交通ルールを熟知していなかったため、車を運転する時は、ドイツ人の同僚がよく助手席でサポートしてくれた。

　ある時、前方十数メートルの歩道に7、8歳の男の子が横断歩道を渡ろうとしていたので、私は車を減速させながら横断歩道に近づいた。すると、その男の子は出しかけた足を引っ込め、渡るのをやめた。私が少しイラッとし、「渡るの？渡らいの？」と言うと、同僚は、「停車させないと」と教えてくれた。言われた通り、車を完全に停めると、男の子は私達にお辞儀をしながら道を渡り始めた。

　ドイツ人は法律を順守することで知られ、車の運転や歩行の時も決して例外ではない。別のある時、私が横断歩道の前で車が通り過ぎるのを待っていると、車のほうが止まってくれて、先に私が道を渡れるようにしてくれた。私はこの「意外な待遇」にお礼を言いながら道を渡った。その後、自動車教習所に通った時、これは「歩行者の権利」でお礼を言う必要はないと初めて知った。教習所で、技能検定を受ける時、受験者が横断歩道前で少しでも、歩行者より自分が先に行こうという意思を示せば、検定はそこで終了。なぜなら、学習手引きには「歩道の歩行者が道路を横断しようとするのを発見した時、車両は必ず、減速の意志を示さなければならず、歩行者が横断歩道を渡りだせば、車両は必ず、横断歩道の外で止まらなければならない」と明確に規定しているからだ。