
中国の「廟会」は日本の所謂「縁日」に近いものです。中国の春節、つまり旧正月の期間を代表する一大イベントでもあります。「廟会」では、軽食や買い物用の屋台などが並び、伝統舞踊や「雑技」「獅子舞」など、さまざまな催しが行われます。毎年多くの市民や観光客が訪れています。
昔、北京には無数と言ってもよいほど多くのお寺がありました。「廟会」の本来的な意義は宗教活動で、神様や仏様に対する祭りを行う行事でした。祭りに来る参拝客によってお寺が賑わうと、その人出を当て込んだ露天商や芸人たちが集まるようになりますね。だんだんと廟会という言葉も「市が立つ」という意味になって使われるようになりました。経済の繁栄に伴い、宗教活動より、それに付随して起こる商業活動や娯楽文化行事のほうに重点が置かれるように変貌してきました。
歴史の記録では、清から民国期にかけて、これらの寺廟が文化商業活動に与えた影響は大きく、「五大廟会」と呼ばれた東廟隆福寺・西廟護国寺・斜街土地廟・花市火神廟・白塔寺は、北京という街の発展史上、重要な地位を占めたということです。