吉林省長春市に住む結婚からわずか半年の新婚「80後(1980年代生まれ)」カップルがこのほど、「春節(旧正月、今年は2月10日)連休に夫婦どちらの実家に帰省するか」をめぐって衝突、言い争いが昂じてついには離婚することになった。人民日報が伝えた。
もちろん、これは、非常に極端な特例だ。しかし、故郷が別々の地にある夫婦にとって、「春節はどちらの家に帰るか」は、極めて頭の痛い問題だ。特に、ますます多くの「一人っ子」が結婚して家庭を持ち始めた昨今、この難問は多くの若年カップルにとっての「地雷」となり、社会の過渡期が生み出した苦悩を映し出している。
○背後に「空の巣家庭」の養老問題
中国の60歳以上の高齢者1億7800万人のうち、約半数は「空の巣家庭(子供が独立した後の夫婦だけの世帯)」の老人だ。「老いて周りに誰もいない」寂しさに常日頃向き合っているため、身内が集まる春節を何よりも大事にしている。しかし、中国の「一人っ子」人口は2億人に達し、「421家庭(1人っ子同士が夫婦となり、1人の子どもをもうけ、祖父母4・父母2・子1の構成となった家庭)」が激増した。若夫婦が計4人の父母の面倒を見なければならず、身体一つでは到底足りない。さらに、在宅養老を主、施設養老を従とする現在の社会養老システムにおいて、日常生活でのケアや精神的な慰めは著しく不足しており、子供と一緒に新年を迎えることができずに落胆している老親をケアするサービスが無いのが現状だ。
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