東アジアの戦略情勢と安全秩序において、中米日の3カ国間の駆け引きは、長期的に主柱としての力を発揮してきた。現在の東アジアでは、内部の秩序に変革が生じている。これは主に、次の三つの重要な要素によるものだ。(1)中国の発展。(2)日本の長期低迷。(3)米国のふらつき。米日はこの局面に安心できず、「強い日本を取り戻す」という戦略競争と、「アジア太平洋リバランス」という戦略調整により、有利な地域内のバランスを維持し、かつその過程で互いに利用しようとしている。これは現在の中米日の駆け引きの主線となっている。

　もう1本の主線はこうだ。米国は中国の急速な台頭による影響と、自国の実力低下を正視せざるを得ない。米国は対中関係を、現在の世界で最も重要な二国間関係の一つ、米国のアジア太平洋戦略の中心的な内容としている。米国は地域・世界的な多くの問題で中国への依存を強め、以前より慎重に中国関連の敏感な問題を処理するようになった。米国は中国の新型大国関係の構築に関する呼びかけに応じる一方で、アジア太平洋で中国を対象とする軍事力の配備を強化している。米国は中国との接触において、協力と警戒の両面で新たな発展を実現した。

　戦後の長い時間に渡り、中米日の三角関係の中では、米日関係が中米・中日関係より重視されてきた。しかし今や、中米関係は米日を上回っており、歴史的な変化がついに発生した。これとは対照的なのは日本で、日本の有名なコメンテーターである大前研一氏の観点を引用するならば、「地政学的な意義における日本の重要性と利用価値が急激に低下しており、世界の主流から省かれている」と言える。これは安倍政権が落ち着きを失い、中国に対して高圧的な態度を取る重要な原因の一つだ。