上海市政府の公式サイト「中国上海」が発表した情報によると、中華人民共和国上海海事裁判所は2014年4月19日、効力が発生した判決を履行するため、「中華人民共和国民事訴訟法」、「中華人民共和国海事訴訟特別程序法」の関連規定に基づき、中華人民共和国浙江省ジョウ泗県(ジョウは山に乗)馬迹山港で、商船三井の鉄鋼石運搬船「バオスティール・ エモーション」を差し押さえた。

　文匯報の記事によると、上海海事裁判所は弁護士側に対して、中威輪船公司が第二次世界大戦中に受けた財産の損失を賠償するため、昨日午後に商船三井の28万トンの運搬船を差し押さえたことを伝えた。

　上海海事裁判所は2007年末、20年間に渡り引き伸ばしてきた訴訟に判決を下し、被告の商船三井に対して、中国の原告に29億円以上の賠償金を支払うよう求めた。

　原告の陳震氏、陳春氏らは1988年12月30日、日本海運株式会社(現在の商船三井)(日本海運株式会社は現在もある会社。大同海運株式会社では？)の傭船契約に基づく用船料の未払い、及び権利侵害に関する紛争を巡り上海海事裁判所に提訴し、「順豊」と「新太平」の2隻の船舶の用船料および経済的損失を遡求するよう求めた。上海海事裁判所は本件の公開裁判を開き、2007年12月7日に被告の商船三井に対して、原告の陳震氏、陳春氏に2隻の用船料、経済損失、船舶の損失、収益の賠償として29億1647万7260.8円を支払う判決を下した。中華人民共和国上海市高級人民裁判所は2010年8月6日、上述した判決を維持する終審判決を下した。中華人民共和国最高人民裁判所は2010年12月23日、被告の再審申請を受理しなかった。