習近平国家主席はこのほど訪問先のオーストラリアで、同国のアボット首相と共に、中国・オーストラリアの自由貿易協定(FTA)交渉が実質的に妥結したことを発表した。これで、中豪FTAの正式な発効が、まもなくとなった。すでに発表されている情報によると、FTA発効後、オーストラリアから中国に輸出される乳製品の関税が4年以内に撤廃されるほか、ボーキサイト、コークス炭などエネルギー資源製品の関税も2年以内に撤廃されるという。京華時報が伝えた。

　▽オーストラリアからの輸入農産物が安く

　中国商務部(省)は18日、「中豪FTAは中韓FTAに続き、中国がアジア太平洋地域の重要なエコノミーと締結した、全面的でハイレベルなFTAだ」と表明した。FTA発効から数年以内に、オーストラリアは中国からの輸入品に対する関税を100%撤廃するほか、中国もオーストラリアからのほとんどの輸入品に対する関税を撤廃する。

　中豪FTAには、以下のような内容が含まれる。

　・オーストラリアから中国に輸出されるボーキサイト、コークス炭、燃料炭などのエネルギー資源製品に対する関税を2年以内に撤廃する。

　・オーストラリアから中国に輸出される乳製品に対する関税を4年以内に撤廃する。

　・オーストラリアから中国に輸出される牛肉に対する関税を9年以内に撤廃する。

　関係者によると、インフラ協力の深化、農業製品の生産加工の強化、倉庫・物流といった全面的な協力が、今回の中豪FTA交渉の重点となった。

　商務部国際貿易経済協力研究院・国際市場研究部の白明・副部長は、「オーストラリアは資源・農業大国。中豪両国は資源、エネルギー、農業分野で相互補完性を持っており、中豪FTAによって恩恵を受けるのは大口商品、一次産品が主となるだろう。FTAが発効されれば、オーストラリアからの輸入粉ミルク、牛肉、羊肉、ウール、オオムギ、ワインなどが中国市場でより多く販売されるようになり、価格も安くなる」としたほか、「これまでオーストラリアが中国に輸出する鉄鉱石は、基本的にオーストラリア側が価格を決定していた。FTAが発効すれば、エネルギー面で中国の発言権も増える」と指摘した。