安倍政権が景気回復のための柱として使っている金融緩和策によって、円レートが歴史的安値を更新している。その円安によって今日本には多くの海外観光客が訪れている。最新の調査では、日本は2015年にアジアで一番人気の高い観光地になるという。では、その円安で潤う観光業は果たして日本経済を回復させる「救世主」になりうるのだろうか。円安は日本経済全体にとって本当にプラスなのだろうか。
▼40年ぶりの安値=英FT紙▼
英国のフィナンシャルタイムズは、この2年間で1ドル78円から120円まで下落した円の動きについて、貿易加重を加味すると、為替制度が変動相場制に移行した1970年代初め以降の安値圏にあると指摘する。また統計では、今年の中旬以降の円の下落率は、主要31通貨の中で27番目。
円はドルに対してのみならずアジア通貨に対しても下落を続け、シンガポールドルに対しては12月に92.13円と過去最低を更新、タイバーツに対しても2008年以来の安値水準となっている。ドルに対しては7年ぶりの安値となる121.85円である。しかしこの円安傾向について、多くのアナリストはまだこの動きが続くと見ている。先の衆議院総選挙で自民党が勝利したためである。
日本経済新聞は12月5日、市場の見方として「自民党の勝利で金融緩和や財政出動といった材料が長期化する期待が高まる。その結果、株価は第1次安倍内閣当時に付けた日経平均株価の高値(1万8261円)を更新し、円はその安値(1ドル124円)を更新する」との見方を紹介している。またみずほ証券の上野泰也アナリストは「国民のお墨付きを得たことで政権は長期化する公算が大きい」として、当面円安が続きやすいとしている。
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