安倍晋三首相は5日、三重県伊勢市で年頭の記者会見を行い、戦後70周年に合わせて発表する談話について、全体的に村山談話を引き継ぐと表明した。しかし日本メディアは、安倍首相が村山談話をどの程度引き継ぐのかは不明とした。日本問題専門家、上海国際問題研究院アジア太平洋研究センター副主任の廉徳瑰氏は、環球時報の記者に対して、「安倍氏のこの措置は時代の流れに合わせただけで、軍国主義の歴史を徹底的に反省することはない」と述べた。
共同通信によると、安倍首相は5日、三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝した後に年頭の記者会見を行い、今年の終戦記念日に発表する戦後70年の首相談話について、第二次世界大戦に関する「反省」の文言を盛り込む考えを明らかにした。安倍首相は、「村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」と表明した。安倍首相はまた、「戦後70周年を節目として、先の大戦への反省、戦後の平和国として歩み、いかにアジア太平洋・世界に貢献するかといった全世界に宣伝できる内容を、新たな談話の中に盛り込むつもりだ」と述べた。
共同通信社は5日、安倍首相が8月に発表する首相談話が、村山談話の「日本の植民地支配と侵略」に関する反省をどの程度引き継ぐかは不明とした。安倍首相はこれまで第二次世界大戦を「侵略」と定義付けることに消極的な態度を示していた。しかし安倍首相が談話で文言を変えれば、戦争責任を明確に要求している中韓から反対されることは間違いなく、欧米諸国も安倍政権は「歴史修正主義」という認識を深めることになる。アナリストは、「安倍首相は『反省』という言葉により日本に歴史を正視するよう求める声を封じ込め、日本が戦後いかに平和に貢献してきたかを宣伝しようとしている」と指摘した。
廉氏は5日、「安倍氏が村山談話を引き継ぐと表明したのは、何も不思議なことではない。安倍氏は時代の流れに合わせることが得意だ。安倍氏は2006年に初就任した際に、国内外の世論の反発を懸念し、靖国神社を参拝しなかった。日本が迎えている経済・外交の困難な局面、それから自民党と安倍内閣のハト派の勢力が、安倍首相のこの表明を促した可能性がある。安倍氏の政治的傾向から見て、日本の軍国主義の歴史を徹底的に反省することには期待できない」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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