小型の家電製品はかつて中国が得意としたものであった。しかし今では、中国の消費者は同じ値段ならば日本製の中クラスの機種を選ぶ。また中国製の高級機種に目が向くことはない。しかし日本製品なら価格が1万元以上であっても高級機種を買う。なぜ日本製はそれほど人気があるのだろうか。
日本では実際1万元を超える炊飯器は少なくない。象印、タイガー、パナソニックなどはそれぞれ自社の最上級モデルを持っている。値段が4万元を超える製品もある。かつて東芝で炊飯器の開発に従事した経験もあるこの道の40年の専門家である宮口淳一氏は「日本では競争が激しく、各社とも自社の戦略を持っている。他社の製品を真似することはまずなく、各社とも自社のコア技術を持っている」という。
実際、炊飯器だけでなく、高級製品は日本のブランドにとって不可欠なものである。かつては「安い」ことが売りだった日本車も例外ではない。ホンダや日産、トヨタは値段の安い車を作っているが、同時に各社とも最高級車であるアキュラ、レクサス、インフィニティを製造している。このような戦略は一般に「グランドデザイン」と呼ばれるが、こうした高品質や技術能力を示す高級化路線に、消費者は自然と信頼を寄せるのである。
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