アシュトン・カーター国防長官は6日、就任後としては初のアジア歴訪を前に、「米リバランス戦略の次の段階」をテーマとする演説を行った。ハイテク武器の配備、同盟関係の強化とパートナーシップの発展、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の推進が、今後の3つの政策的支柱になる。
カーター国防長官は、中米両国が「ゼロサム関係」ではなく、ウィンウィンを実現できると述べた。カーター国防長官は中米関係が「複雑」で、競争と協力が入り混じっているが、「力強く建設的な中米関係は、世界の安全と繁栄のため極めて重要」であることを認めた。
カーター国防長官は聴衆に対して、「中国が米国のアジア太平洋における地位を奪い、中国の経済成長がある形式により、皆さんのような若者のチャンスを奪うことになると信じさせようとする人がいる。しかし私は中国が得れば米国が失うというゼロサム的な発想を受け入れられない。なぜならウィンウィンと呼ばれる状況もあるからだ」と話した。
カーター国防長官は、「両国は競争と協力を続ける。我々の関係は依然として複雑であるが、リスクを減らし理解を促進する機会があるはずだ。例えば中米両軍は昨年、『重大な軍事行動の相互通告信頼醸成措置メカニズム』と『海空遭遇時安全行動規範』という2つの相互信頼メカニズム覚書に調印した。両国は今年、『危険な空対空遭遇』について安全行動規範を共同策定する。私もさらに多くの、広範な中米関係の信頼醸成措置の構築に尽力する」と発言した。
カーター国防長官は、「オバマ政権のリバランスは、正確な奨励の措置と条件の創造を促し、中国が主な国際秩序の規則に基づき行動することを奨励する」と強調した。浙江大学非伝統安全センター、平和発展研究センター客員研究員の馬堯氏は、「これは米国が中国の行為を制御さらには形作り、中国に米国主導の規則を守らせることを意味する。これは実際には、米国の『メカニズム覇権』の一種の現れだ」と分析した。
カーター国防長官はさらに、事実を語った。1990年の冷戦終結以来、米国とアジアの同盟国の軍事支出は16兆ドルを超えており、これに続く中国の10倍に達している。カーター国防長官は米国人と同盟国を励まそうとしたが、これは客観的に見ると、中国の適度かつ合理的な軍事費の増加に対する一部の国の「懸念」に応じたものと言える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」
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