日本企業中国研究院の執行院長である陳言氏は、今回の三洋電機の事例は日本産業の構造変化の典型を表していると言う。はるか昔にキヤノンはコンピュータ部門を売却しているし、最近では日立がテレビ部門を他社に譲り渡している。日本の一部企業では、トップシェアを握った段階で調整に入るケースも見られる。冷蔵庫、洗濯機、クーラー、掃除機、電子レンジなども同様の状況である。最近の事業リストラは当然のすう勢であり、三洋電機はその大きなひとつに過ぎないのだ。
「日本工業新聞」は、日本の人口減少に伴い、国内市場は縮小を続け、同時に海外では中国などと価格競争を繰り広げている。高価格で「メイド・イン・ジャパン」を海外に売る時代は過去のものとなり、現在ではそのような企業は海外企業に身売りする状況になっていると論じる。一方、日本の経済誌「週刊エコノミスト」は、パナソニック幹部がかつて語ったように、日本のエレクトロニクス産業が成熟期にある白物家電業を売却することは、一段上の産業を育てるための適切な措置であると論じている。
依然として大市場を持つ中国の白物家電然として大市場を持つ中国の白物家電
中国社会科学院世界経済所の研究者、李毅氏は記者に対し、白物家電はこの数十年来、成熟したコモディティ商品となっていると分析する。1990年代に日本は、すでに白物家電などの製造業は労働集約型産業にふさわしい地域で生産、販売するようになっている。しかし李毅氏は、中国の白物家電市場は飽和した先進国と比べて市場が大きいと指摘する。都市住民の平均消費額のレベルは高く、農村部では市場開拓が始まったばかりだ。白物家電に対する実需要と潜在需要は共に大きい。中国の広大な農村を満足させるために、家電需要は当分続くと考えるのが妥当だろう。
ヨーロッパの家電産業の中でとりわけ際立つドイツでも、同様に中国や韓国といったアジア諸国との競争にさらされている。しかし現在のところ、ドイツの高付加価値な白物家電は依然として世界の先頭に立っている。ドイツ国際経済研究センターの研究者であるロバート・ブットナー氏は、未来の白物家電市場で最も重視されるのは省エネとインテリジェンス機能の統一だと述べる。これこそが、中国白物家電企業が「M&A」後に新しい問題として浮上するであろう課題だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」