中国ではなぜ高品質で消費者のニーズに応える粉ミルクが作れないのだろうか。国産粉ミルクが中国人消費者に信頼されないのはなぜだろうか。あるネットユーザーは、食品の安全問題を解決するのは空に上るよりも難しいと冗談交じりにいう。これは半分冗談だが、なかなか見過ごせないものを含んでいる。
中国人の粉ミルクニーズの問題を解決したいなら、海外産粉ミルクにばかり頼ってはいられない。広大な国内粉ミルク市場が海外企業に攻略されるのを黙って見ているわけにもいかない。中国産粉ミルクは自分で自分を強くする必要がある。国内の乳製品企業や乳製品業界は羞恥心を忘れずに行動しなければならない。広告で信頼を得られるわけはなく、製品を自画自賛しても評判が上がるわけなく、空想で業績が上がるわけもない。中国人が国産粉ミルクに好感をもつようにするには、向上に向上を重ねようとする信念、高い基準を求める姿勢、嘘偽りのない措置、これらに軸足をおくことが唯一の道になる。
業界団体は問題を隠したり、無理にかばいだてしたり、レッテルをはったりするという考え方の癖を捨て去らなくてはならない。粉ミルク事件が発生するといつも、業界団体はしばらく真相を明らかにせず、あたりをキョロキョロ見回し別のことを言ってごまかす。企業や事業機関と一緒になり、正々堂々と世論の疑問に向き合うということはせず、企業に傷が付くことをおそれ、民族感情をもちだして事を納めようとするケースすらある。実のところ、このような振る舞いやロジックが、乳製品メーカーから挑戦の意欲を奪い、問題を徹底的に解決しようという勇気やエネルギーを奪っているといえる。
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