これ以外でも、数多くの店は完全な輸入元証明書を揃えていなかった。また、いくつかの日本料理店で扱う牛肉は確かに日本産牛肉だったが、実は密輸で持ち込まれたことが今回の法執行検査で明らかになった。上海出入境検験疫局によると、中国では2001年から日本産牛肉の輸入が禁止され、それと同時に、上海の通関で摘発される日本から密輸入された牛肉の数も増加し、2007年に摘発数がピークとなった。ここ数年間は、検疫検査の強化に伴い、密輸入される日本産牛肉の数も明らかに減少したという。
上海、北京の通関で調査したところ、東京成田から離陸し、夜9時に上海浦東国際空港に到着するフライトで、検疫検査が強化されたと察知した乗客2名が荷物6箱を受け取らずに出国した。X線検査をしたところ、荷物の中には160キロにも上る牛肉20塊が入っていた。この前の記者の調査で計算すると、今回密輸された牛肉が、もし消費者のもとに届いていれば、30万元(約450万円)以上の販売額に上ったはずである。
法律の専門家の分析によると、高額の利益以外に、日本産牛肉の密輸が絶えない理由の一つに、処罰が厳しくない点があげられる。これでは警告や懲戒の効果は期待できないという。中国の“進出境動植物検疫法実施条例”の規定によれば、検疫を受けていない動植物を国内に持ち込むことは禁止され、違反をすれば5000元(約7万4500円)以下の罰金が課せられると記載されている。
専門家は狂牛病は人体の健康や牧畜養殖などに非常に重大な被害をおよぼす危険性があることを指摘する。このため、中国は狂牛病が発生した地域から牛肉精製品を輸入することを禁止している。中国で神戸ビーフを販売することは、本物や偽物に関わらず、違法行為だ。消費者は狂牛病に対する正しい知識を得ると同時に、充分な注意を払うことが必要である。
「人民網日本語版」