数年にわたり、福方集団は10対1の高い併合比率で株式併合を行うなどして、株式資本は2万倍近く縮小した。その上、株式併合後すぐさま、株主割当増資、転換社債の発行や株式の取得など様々な手段を通して、投資家の利益を試みずに資金調達を実施。初歩的な統計によると、株主割当による調達金額は14億香港ドル、転換社債による融資額は10億香港ドルに上る。それにも関わらず、福方集団の現在の時価総額はわずか1億香港ドル前後で、この「搾汁機株」の資金を搾り取る威力は並大抵ではないことが分かる。その上、福方集団は毎度、業績が大幅欠損になると、株式併合の前に減資(額面変更)を実施し、株式の額面を引き下げることで見込まれる利益で赤字を相殺していた。
このように、株式併合、減資などを巧みに利用して、株価を維持し、黒字転換を装うことで、事情が詳しく理解できない投資家にとっては、この上なく魅力的に映るのである。
実際、香港市場では、このような上場企業は単独ではなく、組織化して一連となって資金を搾取する。中でも「威利グループ」が有名で、威利国際、合一、馬斯葛などが中心メンバーで、メンバーは直接或いは間接的に関連会社を通じて、互いに株式の持ち合いや持株関係を結んでいる。
これらの株式の基本的な特徴は、頻繁に関連当事者間で取引が行われ、基本的には利益の配当を行わず、通年を通して頻繁に融資を行い、或いは株主割当による資金調達や転換社債による融資を行っていることである。「搾汁機株」が凄いのは、意図的に株価が下げられても儲けられることである。度重なる株主割当によって、株価が大幅に下がると、中小規模の投資家は誰も株式の割当に参加しなくなる。そうなると、これらの企業は更に割安な価格で関連会社に割当を行い、持株比率を上げ、弱くなった経営支配権を再び取り戻し、或いは上場企業による大規模な関連会社への第三者割当増資によって資本の充実を図る。