
9月28日は旧暦の8月15日で、中国の伝統的な祝日・中秋節です。中国では中秋節に秋の収穫を祝い、家族が集まり、美しい満月を眺めて、月餅などのお供えを家族で分けて食べる風習が、古来より続いています。この日の満月は、一年中でもっとも明るく、もっとも丸いとされ、中秋節は月の祭りとも呼ばれています。
今回の中国メロディーは月をテーマにし、中国各地の月にかかわる素晴らしい音楽作品をご紹介いたしました。番組の中でご紹介したのは「但愿人长久(但だ願わくば、人長久に)」、「彩雲追月(彩られた雲が、月を追う)」、「在銀色的月光下(銀色の月光の下で)」、「月光下的鳳尾竹( 月明かりの鳳凰竹)」4曲でした。
1曲目 但願人長久(但だ願わくは人長久に)
中国では、古代からの伝統で、多くの文人がこの中秋節に酒を飲み、月見をし、詩を作ってきました。そうした中秋節の月を讃える歌が今でも伝えられています。その中で宋の詩人蘇軾の詞『水調歌頭』は月を詠じた千古の絶唱だと言われています。詞の中にはいくつもの名句があります。特に「但願人長久、千里共嬋娟。人生は月と同じく、つねに円満ではないけれど、たとえ、千里の距離を離れていても、この月の輝きを共に眺めていることを願うのみだ」という最後の数句が特に有名です。