サイエンス・フィクションは夢物語ではないし、荒唐無稽な話でもない。SF作品が魅力的なのは、科学的知識を根拠にした合理的な想像力がそこに広がっているからだろう。そして我々は、SF作品に描かれたものが現実になったことを、後に気付くことになる。

1.潜水艦
潜水艦設計実験の早期、アルゴノート号は、河や湖、海底部でも航行できるように、スクリューが3つ取り付けられていた。しかしこの設計ではうまく航行できなかった。
アメリカの発明家で「近代潜水艦の父」と呼ばれるサイモン・レイクは、1870年にジュール・ヴェルヌのSF小説「海底二万里」を読んでから、海底旅行や海底探検の夢に取りつかれた。レイクの発明にはバラストタンク、潜水キャビン、潜望鏡がある。1898年、彼の会社が公海への航行を最初に実現させたアルゴノート号を製造した。このとき、ジュール・ヴェルヌからの祝電も受け取っている。
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