「去年の下半期以降、ウォンは常に高騰し続けてきた。先週の反落は、高騰したウォン高が韓国企業の輸出力に大きな打撃を与えることを懸念した外資が、大量に流出したことを物語っている」とある金融アナリストは分析する。
2013年に入っても円安ウォン高が止まらない。華民氏は「韓国経済は輸出に大きく依存している。典型的な輸出偏向型の小国経済なのだ。韓国の製造業と輸出製品は、その多くが日本と競合する。そのため円に対してウォンが上昇すると、自然に韓国製品の競争力が落ち、資本の流出につながる」と指摘する。さらに「韓国が採れる唯一の措置は通貨戦争に参加することだ。政府による関与でウォン安に持ち込むことだ」と述べる。
人民元はこれ以上高値になる理由がない
「日本による制限のない緩和政策が、アジア経済にマイナスの作用を及ぼしつつある。中国、インドなどアジアの新興諸国家では、2つのはっきりした懸念が生じていると言わざるを得ない」と上述のアナリストが指摘する。「昨年以降、中国の中央銀行は頻繁にリバースレポを実施して流動性供給に努めてきたが、これは中央銀行による通貨政策で2つの困難が生じていることを意味する。1つ目は、国内の流動性が存分に高まった状況では、これ以上の緩和はさらなるインフレを引き起こしかねないという懸念。2つ目は、世界的に通貨がだぶついた状態で、もし中央銀行が利息を引き上げれば、ホットマネーを引き寄せることになるという懸念だ」。
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