韓国の対中認識は過去数年間しばしば揺れ動いた。韓国世論は中韓の具体的溝に絶えず感情を高ぶらせてきた。だが韓国は中国が韓国最大の貿易相手国であるのみならず、朝鮮半島の安定を心から望んでいる国であることを目にしたはずだ。朝鮮の核放棄も朝鮮半島の平和維持も、中韓にとって同様に重要だ。複雑に入り組み、解決の極めて困難な朝鮮の核保有問題において中国がどうにもしようがないのは、偽りではない。
中朝の友情が韓国の安全保障に実質的損害をもたらすことはありえない。いわゆる損害とは、対朝衝突時の韓国人の感情的な憶測だ。韓国は韓米同盟の協同性をもって中国に要求をしてはならない。中国の仲裁は朝鮮半島が緊張しつつも爆発を回避する上で鍵となる重みを持つが、韓国の安定は地域全体の安定の一部でしかない。
韓国は力の観点のみから対朝外交を考えてはならないし、中国に対してこうしろああしろと頑固に要求してもならない。韓国は米日韓の「小団体」の中で地政学的に朝鮮と中国に最も近い国だ。朝鮮半島と大陸に対する自らの理解をできるだけ呼び起こして、北東アジアの安定促進の新たなパワーとなるべきだ。韓国は最終的に地域全体の平和と安定から利益を得ることになる。
米国の朝鮮半島政策は常にそのグローバル戦略上の利益に沿ったものだ。日本も朝鮮半島政策を外交において優先することはない。もし韓国も朝鮮半島の平和・安定を他の全てを上回る重要性を持つものと捉えず、イデオロギーなど小さな溝をしばしば加えるのなら、朝鮮半島の平和が韓国よりも差し迫った、真剣な守護者を得ることはあり得ない。
|