海南島は中国の「ドバイ」と称されていた。三亜湾に浮かぶ人工リゾート島「鳳凰島」には、船の帆のような形をした超高層ビルが立ち並び、島は熱帯海洋世界に取り囲まれている。正に近年の中国不動産市場の飛躍的な発展の縮図のような光景である。AFP通信2月24日付の記事が伝えた。
しかし、鳳凰島の不動産価格はここ数カ月で劇的に下がっており、成長を維持しつつも、アンバランスなところもある中国経済のアキレス腱が露呈した。海南島の観光部門は鳳凰島を「世界8番目の奇跡の有力なライバル」と謳っているが、島には数名の清掃員がいるだけで、静寂に包まれており、人が住んでいることを思い出させてくれる唯一のものは、停まっている数台のポルシェだった。
不動産仲介業者によると、製造業関係の中国人がかつて我先にと、この島の豪邸を購入していたが、世界的な景気後退によって、利益は縮小し、多くの人が豪邸を売って、貸付返済の資金を調達していた。不動産仲介業者の孫哲氏は「鳳凰島の新規物件は2010年の時点では、1平方メートル当たり15万元に達していたものの、今では7万元にまで下がっている」と話す。