地方から北京に出稼ぎに来た人たちは「北漂」と呼ばれている。
北京では、毎朝6時を過ぎると窓が開けられ、三環路の騒がしい音が室内に入る。部屋では、起きて服を着替え、顔を洗ったり歯を磨いたりする様々な音がし、それ以上寝ることは難しくなる。
騒がしさは8時まで続き、40人のここに住む人たちが出勤すると、部屋はまた静かになる。
仕事が見つかっていない人たちはまだ寝ている。昼間、部屋は比較的静かで、残った人たちは時々交流し、多くの時間をベッドでパソコンをして過ごす。
昼ごろになると、マスクをつけたおばさんが部屋の掃除に来る。「大家」はほぼ毎日いくつかの部屋を回る。部屋をシェアしている人数が多すぎるため、「大家」は安全問題を心配している。
午後6時頃から部屋はまたにぎやかになる。住人が次々と部屋に戻り、ドアには鍵がないため誰でも簡単に入ることができる。
暑い夏、部屋に戻った住人たちは下着姿で過ごす。トイレもこの時間から混み始め、2つあるが並ばなければならない。清潔に見えるトイレだが、よく見るとゴキブリがたくさんいる。
みんなの生活習慣が異なり、夜中まで起きている人もいるため、トイレのドアの音が常にし、ぐっすり眠ることはできない。
ここは、地下鉄駅から近い3DKの部屋で、わずか60平方メートルしかない。しかし、「大家」はすべての空間を利用し、長さ2メートル幅1メートルの2段ベッドを計22台置き、キッチンにも2台置いている。現在、41人がこの部屋で生活している。
ベッドと貴重品を保管する棚のほかに家具はなく、衣類はベッドの上、荷物はベッドの下に置かれている。
この「大家」は家主ではなく、住宅区にいくつかの部屋を借り、ベッドを再び貸し出している。ベッド1つあたりの毎月の賃貸料は500元から700元までとなっている。
平均賃貸料600元で計算すると、「大家」の毎月の収入は24000元になる。しかし、インターネットで調べたデータによると、このような部屋の一般的な家賃はわずか8000元で、「大家」は3件以上このような部屋を持ち、かなりの利益を得ている。
大勢で部屋を借りることは北京ではよくあり、どの住宅区でも存在する。その裏側には、不動産価格が高い、物価が高い、収入が低い、就職が難しいなどの多くの社会問題が隠れている。
このような部屋では様々な人々が生活している。IT会社で働く人、ガイド、デザイナー、速達員など、大部分が北京に来て長くない低所得者である。
毎年、数百万人の大学卒業生が社会人になるが、北京は彼らにとって魅力的な場所である。
しかし、不動産価格が高い、物価が高い、収入が低い、就職が難しいなどの問題があるため、このような部屋で生活するしかない。様々な社会問題があることが、大勢で部屋を借りる現象につながった。
厳しい現実があっても、よい生活を求める夢はなくならない。成功する幸福な人はごく少数で、大部分の人が夢をつかめないでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」