第70回ベネチア国際映画祭が現地時間28日に開幕した。今年70周年を迎えるベネチア国際映画祭を記念するため、イタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督や、韓国の鬼才キム・ギドク監督、香港の陳可辛(ピーター・チャン)や中国大陸部の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督といった世界的な著名監督たちが「未来への再出発」(Future Reload)をテーマにした短編70本を製作した。この70本の短編は現地時間28日の午後10時から正式に上映された。人民網が伝えた。
■過去即ち未来、未来への展望は過去を振り返ることが必要
陳可辛監督が撮影した90秒の短編作品は通常の短編映画の形式を踏襲したものではない。1つの物語を描きながら、映画史上における偉大な映画人、数十人を紹介している。これらの映画人には、映画を発明したリュミエール兄弟や「国民の創生」、「イントレランス」のD・W・グリフィス監督、「市民ケーン」のオーソン・ウェルズ監督、「サスペンスの神様」と呼ばれるヒッチ・コック監督、武侠アクション映画の巨匠、胡金銓(キン・フー)監督、「小城之春」で知られる中国の費穆(フェイ・ムー)監督などが含まれる。
この短編を製作するにあたっての当初のコンセプトについて、陳可辛監督は「未来は自分にとって最もわからないこと。このテーマを知ったとき、この話を断ろうかと思ったぐらいだ。未来とはどのようなものか?本当に知らない。知っているのは過去だけだ。しかし、考え方を変えれば、すべての未来は、過去の影響を受けているのではないだろうか?映画も、人類も、世界もそうだ。そこから、『the future was in their eyes』(未来はすでに視界の中にあった)、つまり過去即ち未来であり、物事を展望するには過去を振り返ることが必要だという言葉を思いついた。
■「ラヴソング」デジタルリマスター版のワールドプレミア上映
陳可辛監督は現地時間9月1日にベネチアを訪問し、ベネチア国際映画祭の70周年を祝うほか、「ラヴソング」のデジタルリマスター版のワールドプレミア上映にも立ち会う。「ラヴソング」のデジタルリマスター版は陳可辛監督自らが監督にあたり、イタリアの著名な映画修復研究所「L'Immagine Ritrovat」に依頼し、巨額の費用をかけて、1996年上映当時の完璧な状態に復元したという。修復作業が終わった途端に、ベネチア国際映画祭の「ベネチア・クラシック」部門に選出され、現地時間9月1日の19時30分からデジタルリマスター版がワールドプレミア上映される。陳可辛監督は、「上映当時から17年たった今、ベネチア国際映画祭の会場で観客と一緒にもう一度見たい」と非常に期待している様子を見せた。
■「中国合夥人」トロント国際映画祭で海外初上映
ベネチア国際映画祭の後、陳可辛監督は世界各国の映画祭ツアーに出発する。陳可辛監督は、翌月10日、トロント国際映画祭に出席し、今年の5月に中国で公開されて大ヒットとなった映画「中国合夥人」の海外での初上映に立ち会う。これによって、「中国合夥人」の世界各国・地域の上映ツアーがスタートする。トロント国際映画祭の前には、ロシアに飛び、サンクトペテルブルク国際映画祭にも出席する。「中国合夥人」はサンクトペテルブルク国際映画祭の中で、中露政府が行う特別上映会で披露される。当日、映画公開後、主要キャスト・スタッフが初めて舞台挨拶の場で顔を揃える予定だ。
「人民網日本語版」
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