衰えを知らず栄え続ける富豪の物語は、アジア太平洋地域で今も演じ続けられている。25日、香港で発表されたあるレポートは、アジア太平洋地域の富裕層368万人が12兆ドルの資産を握っていると伝えた。これらの資産は、米国の16兆ドルと言われる年間GDPの75%に匹敵している。中国新聞網が伝えた。

　カナダロイヤル銀行資産管理会社とキャップジェミニ社が発表した「2013年アジア太平洋地域資産状況報告書」によれば、2012年アジア太平洋地域の富裕層（億万長者）人口は9.4%増加して368万人に達し、彼らの投資運用資産は12.2%増の12兆ドルと、ともに最高記録を更新した。

　この報告書でいうところの「億万長者」とは、最低100万ドルの資産を投資に運用している人で、こうした資産には主な住居用不動産、収蔵品、日用消費財、耐久消費財は含まれていない。報告書では、オーストラリア、中国大陸、香港、台湾、インド、インドネシア、タイ、日本、シンガポール、韓国などの諸国・地域に重点的に注目している。

　アジア太平洋地域で富裕層人口とその資産が急速に増加しているのは、主にサービス業、製造業をベースとしている国・地域で、シンガポール、香港、韓国、中国大陸、インド、インドネシア、タイなどが挙げられている。

　株式市場や不動産は、アジア太平洋地域の資産拡大の主な原動力だ。日本以外では、株式市場、不動産が富裕層の資産構成の半分を占めている。2012年、株式市場は大幅に高値となり、一部地域で不動産市場が力強く上昇して、富裕層の資産の急速な拡大を刺激した。

　近年、この地域の富裕層集団は拡大し続けている。2007年から2012年にかけ、この地域の富裕層人口は年平均5.6%で増加している。これは北米、欧州の成長率の2倍以上だ。2010年の富裕層人口は初めて欧州を抜き、2011年には北米を超えたが、2012年にはまた北米に抜かた。2012年、アジア太平洋地域に競り勝った北米の富裕層は、11.5%増の373万人、その資産は11.7%増で12兆7000万ドルだった。